舶来の鉄道遺産
滝野川界隈のJRの京浜東北線・山手線の駅には、舶来のレール材が使われているホーム上屋を多く見ることができる。
レールの生産は、1901年(明治34年)に官営八幡製鉄所が操業を開始し、国産レールの生産が始まったが、自給体制が確立する昭和3年頃まで輸入のレールが使われていた。そのレールの交換にあたり、ホームの上屋の部材としてリユースされている。
駒込駅、田端駅、上中里駅などでイギリス・ドイツ・アメリカなどの国から輸入されたレールを見ることができる。
ホームから伸びたレールがカーブを描きながら隣のホームの上屋材を繋いでいる。
刻印があることは認められるが、繰り返し塗装されているため字の判読できない。
刻印がどのようなものであったかを知るためには、西武池袋線中村橋駅に行くと良い。駅の高架下道路沿いには、レール材が「軌条燈」として再利用され、レールに刻まれた刻印についての説明が附されている。
上の写真の刻印には「OH TENNESSEEー6040ーASCE 1-1924」とある。
その解説板には、
アメリカのテネシー社製。
1924圧延。
「OH」は、平炉(Open Heath)で製錬したことをあらわす。
「6040」は60ポンド、40は規格番号をあらわす。
「1-1924」は、1924年1月圧延をあらわす。
とある。
※参考文献:「東京の鉄道遺産-百四十年をあるく(下)発展期編」(山田敏明) けやき出版2010/3/14